オフィス関連

オフィス賃貸契約の更新解約トラブル集

オフィス賃貸契約の更新解約トラブル集 日本とベトナムでは商習慣が大きく異なるため、こちらが無知であるほどトラブルのリスクは増大します。今回は、ベトナムで実際にあったオフィスの賃貸契約の更新時と解約時のトラブル事例をご紹介します。   事例1:更新拒否で退去を余儀なくされた 「まだ2年目なのに。出て行けと言われたら?」 念願のオフィスを開設して2年。内装にもこだわり、社員も増えてきてようやく事業が軌道に乗り始めた!そんな矢先・・・。契約満了が近づき、当然のように更新を申し出た。日本では自動更新が一般的だから、「このまま使い続けられるだろう」と思い込んでいた。 しかし、オーナーからの答えは。 「更新? できません。このビルは今後自社で使いますから。」 耳を疑った。 内装の減価償却がまだ終わっていない。引っ越しや新オフィスの内装にかかる追加コストを考えると、頭が真っ白に。 せめて移転費用や内装費用の一部を負担してもらえないかと交渉してみたが、 「デポジット(保証金)を返す以外は契約通りです。補償??契約書読んでください。補償の義務はありません。」 日本なら借主に有利な慣習があり、追い出されるケースはほぼない。 だがベトナムでは、オーナーの一存で契約更新の拒否が珍しくないことです。 こうして、事業の安定期に突然の移転を強いられることになる場合もありますので注意しましょう。   なぜ起きる?(背景解説) 貸主優位の商慣習:ベトナムでは契約更新は保証されず「自動更新」は基本的に存在しない。 オーナー都合の変更:所有者が「自社利用に切り替える」「売却する」と決めれば、借主は退去せざるを得ない。 グレードの低いビルほどリスク大:所有者の事情で急な方向転換が起こりやすい。 📌 ここがポイント(教訓) 「更新できる前提」で契約しない。 契約更新不可のリスクを前提に、移転コストを事業計画に織り込む。 日本の感覚で「居続けられるはず」と思い込まない。 契約書に自動更新条項を入れる交渉は難しいため、オーナー都合での退去も想定する。 📝 事前対策リスト 契約更新に関する条文を必ず確認(「更新できる」とは限らない)。 内装投資額は短期間で回収できる設計に。 物件選びの際は「所有者の事業方針」「売却の可能性」も調査。 長期利用が絶対条件なら、グレードの高い物件や信頼性あるオーナーを優先。   事例2:ベトナム語の契約書を読まずサインしてしまった・・・ 「サインしてしまった一枚の契約書が命取りに」 契約の場に出された厚い契約書。すべてベトナム語で書かれていました。 「英語版もありますよ。ただ、公式文書としてはベトナム語が優先です」と伝えられた。 時間も迫っているし、迷いつつも、エージェントの「大丈夫ですよ」という一言で、 細かい条文を読み込む余裕もなく、内容を正確に理解しないままサイン完了。 それから1年後・・・・。 事業が拡大し、広いオフィスに移転する必要が出た。 ところが解約を申し出た瞬間、オーナーはこう言った。 「途中解約??そんなの認めませんよ。そちらの都合で出て行くなら、保証金は没収し、残りの契約満了月までの賃料も全額支払ってもらいます。」 驚いて契約書を読み返すと・・・確かにその条文が! 目を凝らせば、途中解約時の違約金は「残り契約期間の賃料全額」と明記されていたのだ。 「嗚呼、もっと早く確認しておけば…」 サインした一枚の契約書が、会社の資金繰りを大きく揺るがす結果となった。 なぜ起きる?(背景解説) ベトナム語優先条項:契約書が多言語併記でも、最終的にベトナム語版が法的効力を持つケースが一般的。 途中解約は原則不可:ベトナムでは、借主側からの途中解約は基本的に認められない。 強気な貸主の解釈:保証金没収は当然、さらに「残存期間の賃料請求」まで発生するケースが多い。 📌 ここがポイント(教訓) 契約書は必ず専門家や信頼できるエージェントに確認してもらう。 英語併記があっても、ベトナム語が優先される可能性が高い。 途中解約条項は、最も重要かつ見落としがちなリスクポイント。 契約前に「解約条件」「違約金」を必ず確認すること。 📝 契約書チェックリスト ベトナム語優先条項の有無 途中解約に関する条項(賃料何か月分が違約金?残り全額?) 保証金の返還条件 契約更新や貸主都合の解約条件   こうしたトラブルは、日本の商習慣との違いを知らないままベトナムでジャッジをしてしまったことで発生するトラブルです。こうしたトラブルを回避する上では、専門家の意見を仰ぐこと、日本とベトナムの商習慣の違いを事前に知っておくことが大切です。

2025/12/15

オフィス関連

ベトナム関連

ベトナムのオフィス契約 – 3つの落とし穴 –

日本と違う!ベトナムのオフィス契約の3つ落とし穴 ベトナムへの企業進出やオフィス移転は初めてという方が知っておくべき、ベトナムのオフィス契約の注意点をまとめてみました。   1. 借主の立場が日本とベトナムで大きく異なる 国ごとの商習慣が異なるように、ベトナムの不動産賃貸も日本と比べると大きく異なります。 ベトナムでは「貸主>借主」という力関係が基本です。 日本では宅建業法や重要事項説明などによって借主を保護する仕組みが整っています。ですがベトナムにはその考え方も業法も日本のようにはなっていません。 借主=企業側が弱い立場に置かれる このことを前提条件としてオフィス構築を考える必要があります。   2.法人設立と賃貸契約の順序に注意 ベトナムでは、 物件(不動産)の賃貸借契約の締結 貸主が提供する書類をもとに法人設立申請 という流れが一般的です。 しかし、貸主の書類に不備があると、契約後でも法人設立ができないケースが発生します。 その場合でも、借主は途中解約で保護されないことが多く、賃貸借契約のリスクを背負うことになります。   3.信頼できるエージェント選びを ベトナムでは日本と異なり、オーナー側が借主の判断を気長には待ってくれない傾向にあります。うかうかしていると、サッと他国の外資企業に手付金を打たれてしまい、検討中の物件が白紙になってしまうことは非常に良くあることです。そうした状況下で短期間で適切なリスクヘッジをし、判断を下すには、物件だけでなく、 ベトナムの商慣習に精通しているか 契約後のリスクに対応できるか こうした視点で頼れるエージェントを手を選ぶことがトラブルを防ぐ大きなポイントとなります。   まとめ ベトナムは「貸主が強い」という商習慣を理解する 契約後に法人設立ができないリスクがある 信頼できるエージェントと組むことでリスクを回避する

2025/12/14

オフィス関連

ベトナム関連

通常オフィス?サービスオフィス? 失敗しないオフィスの選び方

「ラストフロンティア」とも言われているベトナムへいざ進出!ベトナム新法人は通常オフィスとサービスオフィスのどちらが適しているのか、決断の手掛かりをわかりやすくご紹介します。 オフィスの種類と考え方 ベトナムのオフィスは大きく分けると2種類 通常の賃貸オフィスとサービスオフィスでは下記のような違いがあります。 🪑 通常オフィス vs  💻 サービスオフィス 🪑 通常オフィス 💻 サービスオフィス 契約期間 2〜3年(長期) 1か月〜(短期可) 引き渡し スケルトン(内装必要) 家具・ネット完備 コスト ㎡単価は割安 ㎡単価は割高 向いている企業 中長期計画、自由設計 少人数、進出準備、短期利用 通常オフィス 特徴:1棟をオーナーが所有するオフィスビル。 費用の内訳:家賃には管理費や税金(VAT)が含まれるが、光熱費や駐車場代は別。 引き渡し状態:スケルトン(内装なし)。契約後に入居者が内装工事を行う。 契約条件:2〜3年契約が一般的。途中解約は違約金が発生。家賃は3か月ごと前払い。 👉 中長期的に腰を据えて事業を行う企業に向いている。 サービスオフィス(レンタルオフィス) 特徴:机・椅子・ネット環境が整っており、PC一台ですぐ業務開始できる。 付帯サービス:電話受付、コピー・FAX、会議室やパントリーの利用(無料 or 有料)。 契約条件:1か月から契約できるなどフレキシブル。 種類:個室タイプ、コワーキングCo-working space、バーチャルオフィスVertual office。 👉 初期投資を抑えたい、進出準備中、短期利用したい企業に最適。 サービスオフィスは㎡単価では通常オフィスより割高となりますが、 どちらが良いかは「将来的な事業の計画」と「必要とされる面積」で自然と絞られてきます。 📌 どちらのオフィスを選ぶ? こんな企業には通常オフィスがおすすめ → 中長期で腰を据えて事業展開したい → 内装や空間を自由に設計したい 一方、 こんな企業にはサービスオフィスがおすすめ → 進出準備や少人数チームで柔軟に始めたい → 初期投資を抑えてすぐに業務を始めたい   オフィスは社員のエンゲージメントを高める場 👥 人材定着に直結する“オフィス選び” ベトナムでは、日本以上に「オフィス環境」は社員のモチベーションに直結します。 コストばかりを最優先してしまい、通勤立地や執務の快適さを軽視し過ぎると、人材が離れてしまうリスクや、募集をかけても思ったように従業員が集まらないこともあります。 通勤事情:「移転で家から遠くなったので辞めます」という退職が珍しくない。 ビルのグレード:トイレや共用部の清潔さが悪化すると、それがストレスで転職につながる。 価値観の違い:会社への“忠誠心”よりも「一緒に働く人」「快適さ」を重視する傾向が強い。 👉 「オフィス環境を整えること=人材定着と成長への投資」と考えましょう。

2025/12/13

オフィス関連

ベトナム関連

お問合せ