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野本瑞穂のサイゴン雑記

サイゴン雑記 〜暮らしの断片を拾ってみたら〜 第2回:市場の流儀 ―ネギとパクチーの謎―

— Vol. 02 — 第2回:市場の流儀 ―ネギとパクチーの謎― 市場の流儀 ―ネギとパクチーの謎― Xin chào。街の拾いものを書き留める「サイゴン雑記」。 第2回は、ローカルの八百屋さんで買い物をすると、最後にポンっと袋へ入れてくれる"あの野菜"の話です。 ✦ ✦ ✦ 🎧 まずは、こちらの音を少し聴いてみてください。 #02 yaoya ※QRコードからもお聴きいただけます。 なんの音かわかりましたか? これは、いつもの八百屋屋さんでの会計風景です。 ガサゴソ。 品物をビニ袋に入れてくれる音。 「姉さん、8万ドンね〜」 そして間を置いて 「これいる?  hành lá ハイン ラー、 ハイン ラー!」 そう、店主が差し出したのは、ネギでした。 30代くらいの夫婦が営む小さなお店は商店街の一角にあります。早朝6時には開店。 お昼には棚がスカスカになるほどの人気店です。 にこやかで感じのいい夫婦とのやりとりは、片言のベトナム語を実践練習できる場でもあります。 でもここまでくるには、ちょっと時間がかかりました。   というのも、ローカルの市場、最初の頃は怖さを感じたこともしばしば。 市場の女性は強気です。 数字が聞き取れない。 少量だけ欲しいと言いにくい。 「それだけ?」みたいな顔をされることがある。 市場のおばちゃんの勢いに負けて、余計なものまで買ってしまうこともある。 とにかく押しがつよい。 ということで、市場へ行くには気合を入れつつ出かけるも、今日もダメだった〜と打ちひしがれて帰宅することも度々ありました。 でも、そんな時期を経て辿り着いたいきつけで、毎回、日本との違いを感じる点があります。それは、品物を袋に入れてくれ、最後にやってくる。 ネギとパクチーコンビです。 頼んでいないのにネギあるいはパクチー。 いや両方セットで、 ポン! と袋へ入れてくれる。 最初はオマケ? お釣りがわり? 計量しているので値段の微調整かなと思いました。 ただ、しばらく通っているうちに、なんだかそうではなさそう・・・とモヤモヤしてきた。 "なぜベトナムの八百屋さんは、最後にネギとパクチーを渡すのだろう?" あれこれ考えていたら、日本でいうとアレのこと? が見えてきました。 アレ、それは"お刺身についてくる、ツマや大葉のこと" 刺身が入ったトレーを見て "やった〜、大葉サービスしてくれた〜" とは思わない。 美味しく見える、食べるための一部であって、刺身の盛り合わせにはなくてはならない存在。 つまり、ベトナム料理にとって、ネギやパクチーは単なる野菜ではないのでは? スープにも。炒め物にも。麺にも。 最後に少し散らすのがお決まり手順。 これにて、料理が完成! そんな合図みたいなもの。 量は少ないけれども、これがなければ整わない、そんな存在。 ということで、最後にくれるネギとパクチーの最強コンビ。 あれはオマケではない。お釣りでもない。 ベトナム料理にとって、ないと落ち着かない定番の見守り野菜。 「今日もごはん、おいしく作ってね〜」という店主からの挨拶がわりかな、と思っています。 ▲ この日はこれで8万VND=480円くらい。ネギは普段の倍! 多めにくれました。 🧺サイゴン暮らしメモ:ローカル「行きつけ店」を見つけるコツ ✓ 早朝スタート、午後には閉まりそうな店(鮮度良好な品物を扱うため人気) ✓ 少量買いを歓迎してくれる、欲しい分だけゲットできる店(半分や4分の1など快く切ってくれるサービス) ✓ 漬物や蒸し野菜などがあるお店は工夫上手 ✓ 店主との相性(異性を選ぶと、あたりが優しいことも…) ✓ ニコニコ現金払いが基本、細かいお金、持っていこう! — Next — 次回は——オーダーメイドか既製服か、ベトナムファッションの変化について。

2026/06/13

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サイゴン雑記 〜暮らしの断片を拾ってみたら〜 第1回 「はじめまして、頼りになるベトナムの台所!」

— Vol. 01 — 第1回:はじめまして、頼りになるベトナムの台所! はじめまして、頼りになるベトナムの台所! Xin chào。(シン・チャオ)。このコラムを担当するライターの MIZUHO です。 ベトナム・ホーチミンに暮らし始めて、5年ほど経ちました。 読んでくださっているあなたは、もしかして赴任したばかりでしょうか。 それとも、何年も過ごしてすっかり街に慣れてきた頃合いでしょうか。 私がホーチミンに腰を据えたのは、コロナ禍を経て活気ある街を取り戻す時期。何かと圧倒されていました。 ひっきりなしに走るバイク、市場のざわつき、昼の強い日差し、スコール前の湿った風。 でも今は、そのすべてが「生活のリズム」になっています。 知らないうちに、この街に体ごと馴染んできました。 このコラムは、そんな街の拾いものを書き留めた雑記帳です。どうぞお付き合いください。 ✦ ✦ ✦ 🎧 ベトナムといえば、まずはこちらを。QRコードから音声をお聴きください。 #01 ホーチミンの朝市の音 これ、なんの音かわかりましたか? ホーチミンにあるローカル市場の入口の音。朝5時すぎには、もう街が全力で動き始めています。 市場の近くに住む私にとって、最初はただの騒音でした。でも今では、このノイズを聞くと、大袈裟に言えば「ああ、今日も生きてるな」を実感させてくれる、おなじみのアラームです。 早朝から始まるカオスは、みるみる育ち、7時すぎにはピークを迎えます。飛び交う言葉、すり抜けるバイク、クラクション。交通ルールなんてあってないようなものの、一定の秩序は満たされている不思議な世界。ここに立つと、なぜか元気が湧いてくるんです。 そして市場の熱気を浴び続けていくと、だんだんお腹が空いてくる。ホーチミンは音だけじゃなく、胃袋まで騒がしくしてくれる街で—— ✦ ✦ ✦ お父さんとお母さん、家族で切り盛りしている小さな食堂。ランチに向けて仕込まれた料理が、昼前にはずらりと勢揃いします。 ▲ 昼前のお惣菜コーナー。選ぶのが楽しい。 店先には、アルミの大きなバットが並び、煮魚・炒め物・揚げ物・野菜料理がぎっしり。とにかくラインナップの多さに驚きます。しかも家庭料理の茶色系が多いので、美味しいに決まっている、という安心感が漂います。 ぜひ、のぞいてみて下さい。そこには見覚えのある料理もあるはず。 🍳 ゴーヤーと卵炒め 🥩 豚肉の角煮 煮卵入り 🍗 鶏肉の唐揚げ 🐟 イワシのトマト煮 🥢 ひき肉を挟んだ厚揚げ煮浸し 🫚 鶏レバーの生姜煮 日本の定食屋でも見かけるものですね。とはいえ、やや上級者向きの「謎の貝を炒めたもの」「カエル肉を煮こんだやつ」なども、定番ものとして並んでいたりします。そこはそこでスルーしたり、おつまみ用に少しだけ買ってみたりと自由な選択を。 そして、横には大きな炊飯ジャー。さらに隣には、毎日違うスープを作る寸胴鍋もあり、食欲をそそられます。 指差しひとつで、なんとかなる こうしたお店は、ランチに人がどっと押し寄せます。しかも、男性客が多い。バイクで駆けつけ「あれとあれ〜」と店主に伝えると、小さなテーブルに山盛りご飯とメイン料理、スープが届く。わしゃわしゃと豪快に口に放り込んでいく見事な食べっぷり。 でも女性も、もちろん利用してますからご安心を。私のようにテイクアウトを頼みに来るお母さんたちも多いので、ひとりで行っても問題なし。 ちなみに私は、夜ごはん用に追加で「あのおかずも」「これも」と、だいたい予定より多く買いがち。いろいろと食べることで、ベトナム家庭料理の味付けもわかりますからね……を言い訳に。 ✦ ✦ ✦ ✏ MIZUHO'S NOTE コムビンザン攻略メモ ▶ 便利なひと言 日本語 ベトナム語 読み方 これください Cho tôi cái này チョートイ カイナイ 持ち帰りで Mang về マン ヴェ おいしい! Ngon quá! ンゴン クア!(← これ言うと喜ばれます) ▶ 費用の目安(ホーチミン ローカル地域) ※都心部・観光地域だとレストラン並みの料金の場合あり おかず1品:30,000〜50,000 VND(約180〜300円) ごはん+箸休めの野菜料理と日替わりスープ付き テイクアウトは、おかずだけでも購入可。1品 30,000 VND〜、量を多めにしてくれます — Next — ローカル市場でお買い物するときの定番コンビ "ネギとパクチー" の存在感。 嬉しいおまけ?! これが意味するもの、について感じたことをお届けします。

2026/06/02

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