Column
AI時代、経営者が選ぶべき「勝てるオフィス」とは? (3/3)
2026/02/04
オフィス関連
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マネジメント

AI時代、経営者が選ぶべき「勝てるオフィス」とは? (3/3)
異文化マネジメントの救世主としてのAI
最終回は、AIとオフィス環境を適切に組み合わせることで、 オフィスのマネジメント側のビジネスパーソンとして、AIとオフィス空間をどう捉えてべきか、お話させていただきます。
オフィス内の「言葉の壁」は確実になくなっていく
ベトナムでの業務において、最大のボトルネックの一つは間違いなく言語でした。 しかしこの数年のAIの進歩で言葉の障壁が急速に低くなってきています。例えば、オフィス内のデジタルサイネージやチャットツールにAI翻訳を組み込めば、日本人経営者のメッセージを、ニュアンス含め瞬時にベトナム語で全社員とオフィスで共有することも簡単にできます。
また、会議にリアルタイム翻訳システムを導入すれば、通訳を介さずにスタッフと熱量の高い議論もできます。 オフィスという空間に「言葉のストレスを感じさせない仕組み」を埋め込むことで、少数の日本人を含む組織のコミュニケーション能力は劇的に向上します。
また、社内のミーティングの全議事録を日々AIに読み込ませていき、定期的に全ての会議をAI分析し、業務改善の指針を立てることも容易です。
求められる新たな要素:オフィスの「メディア機能」とは?
ベトナムはジョブ・ホッピングが一般的で、優秀な人材の定着はどの企業でも毎年の経営課題です。 そうした労働市場を相手にするためには、今後は給与条件だけでなく、「ここで働くことが誇らしい」「仲間との時間が楽しい」と感じさせるエンゲージメント醸成の仕組みがより重要になってきます。例えば、オフィスのリフレッシュエリアを広く確保し、ショールームのように自社の技術を魅せるデザインを取り入れるなど、社内ブランディングや社員のモチベーションを高める仕掛けづくりが今後より重要になってくることが予想されます。 オフィスが単なる「事務所」ではなく、ブランドや理念を体感できる「メディア」としての機能が今よりも求められてくるでしょう。

I-glocal様のレセプションのメディア機能は、100名を超えるスタッフが働く様子を来訪者はレセプションの窓から眺め安心することができ、スタッフ様側はI-Glocal社のブランディングに関わっている意識を向上させる仕掛けとなっている。

CUBE SYSTEM様のメディア的要素の例。来客者が座る会議室から執務エリアのエンジニアスタッフの仕事ぶりが一望できるつくり。
業務そのものがブランディングだとゲストと社員が双方向的に感じるオフィス。
GAやHRに求められる人物像が変わる?
ベトナムでは、煩雑な行政手続きや経理処理、備品管理などバックオフィス部門が疲弊しがちです。 ここにもAIの活用が浸透します。 請求書処理、備品発注にAIを活用するようになり、GAやHRスタッフは「社員ケア」や「オフィスマネジメント」などの企業の付加価値を高める業務、エンゲージメント醸成の力が求められていく傾向へ転じることが予想されます。従来型のバックオフィス社員は、地道で細かいタスクを迅速丁寧に仕事することが高評価の対象でしたが、今後は「社員ケア」や「オフィスマネジメント」力への評価ポイントへ比重が移っていくことが予想されます。
「人」を中心に据えたオフィス戦略を
全3回のコラムに共通することは、AIもオフィスもあくまで「人が輝くためのツール」ということです。 AIに任せられることは任せ、人は創造的な仕事を生むコミュニケーションに集中する働き方に変えていく。 そのための舞台の意味合いが徐々に強くなっていくのが今後のオフィスのあり方と予測します。こうした取り組みがオフィス運用の課題となり、近い未来のオフィスの本質となってくるでしょう。
ベトナムという熱気ある市場で、AIという最新ツールと快適なオフィス環境の融合を試みれば、言葉や文化の壁を超えた創造的チームを創れるはずです。 そうした企業のブランディングとエンゲージメント醸成の場としてのオフィスインテリアを考えますと、造作家具がリーズナブルな価格で作れてしまうベトナムでは、オフィスが今後独自の発展を遂げていくことが予想されます。日本的やり方が常に正解と考えがちですが、ここベトナムでは、ベトナム独自のオフィス構築の時代に突入しています。

執筆者
吉越 誠一郎
- 会社名
- CRAFTEC VIETNAM CO., LTD.
- 業種
- オフィスの内装工事やコンサルティング、PM業務、コンセプトデザイン、ITやセキュリティソリューション等、オフィス構築に関わる業務全般に従事。
- 自己紹介
- CRAFTEC VIETNAM代表。早稲田大学在学中からバーテンダー修行。バー経営で反響営業の本質を学び、その後10年間住宅建築の営業職に従事。2017年ベトナム移住。フロンティアコンサルティング・ホーチミン支店長を経て、2025年 CRAFTEC VIETNAM設立。現在までベトナムで日系企業200社以上のオフィス構築を担当。
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